ストレスやつかれが溜まり、免疫力がおちる季節がわりや年度がわりにおこりやすい膀胱炎。以下のいずれかの症状があれば膀胱炎を疑います。①頻尿②残尿感③排尿時痛④血尿⑤膿尿(白いどろっとした尿)
女性は尿道が短く、肛門と尿道が近いという構造上の面から、膀胱炎にかかりやすく、繰り返す方も多くみられます。尿意をがまんしたり、性行為、月経が発症の原因となることもあります。尿の検査をおこない、治療を開始しますと3〜5日ほどで治癒します。
腎盂腎炎は、膀胱の菌が尿の通路(尿管)を逆行し、腎盂というじん臓の出口やじん臓で炎症がおこった状態をいいます。発熱や背中の痛み、吐き気をともなうこともあり、重症の場合は1週間程度の入院加療を要することもあります。女性の長引く38-40度の高熱で、熱源が不明の場合、腎盂腎炎であることが多い印象です。
あらたな国民病として注目されている慢性腎臓病=CKD(chronic kidney disease)は、心臓病や血管の病気と関連が深く、現在の医療では完全に正常の状態に戻すことが困難とされています。したがって早期に発見し、それ以上に腎機能を悪化させない予防治療が非常に大切です。健診でタンパク尿や血尿、腎機能異常を指摘された方はお気軽にご相談ください。高血圧症と診断を受けて治療をなさっている方も、コントロールが不良な場合、腎機能障害が原因であったり、高血圧が原因で腎機能障害に陥ることもあります。高血圧の原因検索(原発性・二次性)や高血圧治療のご相談も承ります。
また、慢性腎臓病・腎炎と診断されている方の定期診察も可能です。血液検査、尿検査をおこない、内服の調整をおこないます。
現在我が国においては30万人を上回る透析患者さんがいますが、その原因の1位は糖尿病の合併症である糖尿病性腎症です。糖尿病の罹患期間が長く、コントロールが良好と言えない状態が継続すると、腎不全が進行し、透析が必要となってしまうことがありますので、しっかりと糖尿病をコントロールし、腎臓合併症が出てこないかを見張っていきましょう。
腎機能障害・腎不全は、障害の程度によって5つのステージに分類されます。ステージがすすむと、倦怠感や食思不振などの尿毒症という症状が出現し、浮腫みが強くなったりし、通常の生活をおこなうことが難しくなってきます。そのころには私たち腎臓内科医は、今後の腎臓の機能を補完する治療を提案してゆきますが、透析(①血液・②腹膜)と③腎移植のおおまかに3種類の治療法からライフスタイルや体力、年齢を考慮し選択をしていただくことになります。
ご不安な点が多い中で、どのような選択をしたらわからない、意見を聞いてみたいという方はお気軽にご相談ください。